可視総合光線療法の多彩な作用

光化学作用

 可視総合光線の中の紫外線は皮膚内の物質に作用し、生体内にさまざまな新しい物質を産生する作用がある。ビタミンDなど産生された物質は全身の生理機能を調整する。


深部温熱

 生体への浸透力の大きな長波長の可視線(赤色)と短波長の赤外線(近赤外線)の作用により、光線照射局部に充血を起こして血流を増加させ、患部の血行を改善する。


生体リズム調節

 可視総合光線の中の可視線は眼球を通過して網膜に届き、その刺激は視神経を介して脳神経系に達し、脳の中心付近にある松果体に作用して、松果体ホルモン(メラトニン)の分泌を調節する。メラトニンは脳下垂体に作用し、生体リズム、からだの成熟、性腺の周期的活動、血圧調節、免疫機能、抗酸化作用など、多くの機能に関与する。

鎮痛

 深部温熱作用により幹部の血流を改善し、プロスタグランジン、ヒスタミン、ブラジキニンなどの発痛原因物質をすみやかに除去し、痛みの原因を改善して、鎮痛作用を発揮する。また、痛みの調節機構を刺激して、痛みの閾値(反応を起こす最低の刺激量レベル)を上げる作用によっても鎮痛効果をもたらす。

免疫調節

 ビタミンD、カルシウム代謝を介する免疫調節機能がある、皮膚で産生されたビタミンDには、からだが持っている天然の抗生物質を増やす作用がある。多くの原因不明の疾患には免疫異常が関与しており、光線による免疫調節作用の応用範囲は広い。

消炎(腫脹吸収)

 鎮痛効果と同時に、強い抗炎症作用がある。

肉芽発生

 創傷部(負傷部位)の血行改善とともに創傷部の治癒過程をすみやかに進め、種々の細胞を呼び寄せて強靭な肉芽の形成を促進して、創傷の回復を早める。

殺菌

 可視総合光線の中の紫外線の殺菌作用に加えて、可視総合光線が白血球の遊走能、食菌能を強化することから、紫外線の届かない深部の細菌感染症の治療、予防にも有効である。

睡眠

 血行改善と自律神経(生体リズム)、内分泌、松果体ホルモンの働きを調整し、自然な眠りをもたらす。

食欲・便通

 皮膚、内臓の血行改善とヒスタミンなどの光産生物質の作用により、消化管の働きを活発にし、食欲を増進し、便通を良好にする。

解毒

 肝臓、腎臓、免疫の機能を活性化し、解毒作用を高める。とくに可視(青色領域)光線は、血中に増加した脂溶性(油に溶けやすい)ビリルビンを水溶性(水に溶けやすい)ビリルビンへ変化させる作用があり、病院などでは青色灯による新生児重症黄疸にも利用されている。

コレステロール低下

 脂質代謝を改善し、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある。

消痒

 皮膚病によるかゆみだけでなく、種々の疾患によるかゆみに有効である。

利尿

 可視総合光線療法は、新陳代謝を盛んにし、血行と腎臓機能を改善することで尿量を増やす効果がある。

筋力・運動能向上

 自律神経系、ビタミンD産生を介して、副腎皮質ホルモン分泌を促進し、筋力や運動能を向上させる。

呼吸機能改善

 血液循環調節作用と去痰作用により、呼吸機能を改善させる。

神経機能改善

 光化学作用と温熱作用により、神経機能を改善させる。

※ 引用

「可視総合光線療法 治療報告と症例集」

 監修者 黒田 一明

 編著者 財団法人 光線研究所付属診療所

 発行所 財団法人 光線研究所

 発行日 平成22年5月15日(第2刷)


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